遠く小さくなっていく日本 2018 5 3
アメリカからは、そう見えるでしょう。
日本では、まだ超大国の余韻が残っているでしょうが、
GDPという数字で見ると、厳しいものがあります。
1980年代。
ついにアメリカに追いつくかと言われた時代。
1990年代。
まだアメリカの背中が見えていた時代。
2000年代。
中国の急激な発展(2010年には日本を追い抜く)。
2010年代後半。
アメリカも中国も、はるか先に行ってしまった。
(GDPという数字で比較すると、
アメリカ、中国、その他大勢の国となります。
これは、アメリカと中国のGDPが突出して大きいからです)
日本のGDPが縮小したのか。
いや、違います。
日本のGDPは、ずっと「現状維持」です。
世界各国、特に、アメリカと中国のGDPが拡大したのです。
これに対して、
「そんなにGDPにこだわる必要はない」という人がいますが、
実は、大いに、こだわるべきです。
なぜならば、税収というものは、「GDP×税率」だからです。
GDPというと、非常に大きな数字で、わかりにくいという人は、
あなたの年収で考えればよいのです。
もし、あなたの年収が300万円で、
5,000万円のマイホームを買ったら、
過大な借金となり、あなたは、破産するでしょう。
しかし、あなたの年収が500万円、700万円と増えていけば、
借金で買ったマイホームのローン返済も問題ないのです。
実は、アメリカが、この方式で窮地を脱したのです。
1990年代に入ると、「アメリカの破産」ということが、よく言われました。
「1995年合衆国破産」という本が出版されるほどでした。
しかし、アメリカは、この20年間、
「第二の創業」と言えるくらい、
何度も国を作り直してきたのです。
もはや、製造業で日本に勝てないと見て、
「投資銀行」という金融帝国を作り出しました。
しかし、2008年のリーマン・ショックで、
その夢が破綻すると、
今度は、巨大なIT産業を作り出しました。
グーグル、アマゾン、フェイスブック、ネットフリックス。
最近では、これにエヌビディアも加わるそうです。
日本の株式市場において、
時価総額ランキングのTOP10は、
この20年間、変化がなく、あまり変わり映えしないものでした。
しかし、アメリカの株式市場においては、
時価総額ランキングは、大きく入れ替わりました。
アメリカは、超大国なのに、新陳代謝が激しいのです。
演歌歌手が、1曲大ヒットを飛ばすと、
その曲を20年でも30年でも歌い続けていますが、
それが日本の姿です。
「出る杭は打たれる」
これが日本社会の特徴です。
実は、私も体験があります。
このホームページを2003年に立ち上げた頃は、
「個人がホームページを持つなんて、けしからん」という風潮でした。
そういう風潮と戦い、何とか、ここまで来ましたが、
かつての輝きはなく、大空を飛び回る元気はなく、
自分の巣の周りを飛び回るだけとなりました。
疲れてしまったからです。